
犬の健康診断は体調がいい時こそ受けよう|秋は検査に最適な季節です【ハート動物クリニック 犬猫医療センター】
犬猫医療センター院長の原田です。
朝晩がかなり涼しくなり、だいぶ秋らしくなってきましたね。
暑い季節に多くなる皮膚病や、急性の下痢や嘔吐などの病気が減ってきて、動物の体調管理もしやすくなる季節です。
こういった体調の変化が少ない季節に、当院では犬の健康診断を行っています。
病気の早期発見はもちろんのことですが、私たちが考える健康診断の一番の目的は、その子その子の「正常な状態を知る」ことです。
もし体調を崩した際に、症状のない普段の状態や検査結果が分かっていると、検査したときに普段との違いやおかしなところに気づきやすいのです。
そのため、健康診断は病気になったときのために、体調の良い時こそ受けていただきたいのです!
今年も10月1日からたくさんのわんちゃんが来院され、徐々に予約枠が埋まってきています。
昨年秋の犬の健康診断の受診率はなんと32.7%もありました。
2024年1月から8月に当院を受診されたわんちゃんの3頭に1頭が健康診断を受けられたことになります。
また、今年の早春に実施した猫の健康診断の受診率も22.2%ありました。
こちらは狙ったわけでもないのですが、数字が2並びで「にゃん・にゃん・にゃん」でした!
犬猫合わせて2024年度の健康診断受診率が28.4%もあるのは、全国的に見てもかなり高い方だと思います。
当院の飼い主様たちの動物の健康に対する心がけが素晴らしいと感じています。
そんな素晴らしい飼い主様に飼われている動物たちの隠れた病気を見逃さないように、毎日外来診療後の夜9時頃から、その日出勤の獣医師みんなでカルテチェックとレントゲンの画像チェックを行っています。
「三人寄れば文殊の知恵」とも言いますが、私でも気づかないことを他の先生が指摘してくれることもあります。
そういったところが当院の強みの一つでもありますので、普段の診療の際もみんなで力を合わせて、皆さんの力になれたらと思っています!
<カルテチェックと症例検討>
この日は夕方の時間にディスカッションです。
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※※健康診断でお腹の中に腫瘤が見つかるわんちゃんもいます。
腫瘤の疑いのあるわんちゃんは超音波検査やCT検査などの精密検査を行い、その後の治療について検討、飼い主様にご提示します。
健康診断で分かること
健康診断では、普段の様子だけでは分からない体の中のことをしっかり確認することができます。
血液検査や尿検査、レントゲン検査などを行うことで、肝臓や腎臓、心臓といった内臓の状態や、炎症、腫瘍のサインなどを早めに見つけることができるんです。
とくにシニア期の子では、症状が出る前に変化をとらえることで、その後の治療の選択肢が広がったり、元気に過ごせる時間を長くすることにもつながります。
健診の流れ
健康診断は事前にご予約をいただいて、当日来院していただき検査を行います。
まずは問診や身体検査をして、その子の年齢や状態に合わせた内容で検査を進めていきます。
検査結果は、当院では後日あらためてご報告しています。
しっかりと検査データを見直し、必要に応じてチームでも確認したうえで、できるだけ分かりやすくお伝えするためです。
結果を一緒に確認しながら、その子に合わせた今後の健康管理を一緒に考える時間を大切にしています。
普段を知ることの大切さ
健康診断を受けておく一番のメリットは、病気を早く見つけることももちろんですが、「その子の普段の状態を知っておける」ということだと私は思っています。
元気なときの検査データがあると、体調を崩したときに“いつもと違う”をはっきりと判断できるようになります。
それが治療の精度を上げるための大事な材料になるんです。