猫と一緒に暮らすためにできること
最近では完全室内飼いの猫が主流となり、住宅街では自宅と外を自由に行き来する猫はだいぶ減ったように感じます。
完全室内飼いにすることによって交通事故やケンカなどの事故が減り、外猫や野生動物からのウイルスなどの感染症や寄生虫などをうつされる危険性が減ります。室内のみで飼育することで健康被害を防ぐことができるため、当院も外に出さないことを推奨しています。
その反面、運動不足による肥満や、狩猟本能を発揮できないストレスによる問題行動などといった悪い面が出ることがあるため、家の中でそれらを解消できるような工夫が必要です。
我が家では猫の運動量を上げ、またストレス解消を目的とした仕組みを作っているので一例として紹介します。
2階の天井の梁を出し、その高さの壁に沿うように板を張ってキャットウォークを作りました。また、その高さに開けた窓から外が覗けるようになっており、ちょうど電線を見下ろすような位置になるのでハトやヒヨドリなどの野鳥を見ることができます。(ただし見るだけなので逆にストレスが溜まっているかもしれませんが…)
キャットウォークには壁に設置した棚を登って上がれるようにしているので、ジャンプして飛び乗る運動ができます。壁や床は猫の爪から守るように傷防止の素材を使用しています。
ベランダの一角を金網張りにして、実際に外の空気を吸うこともでき、その金網にも猫が座れるスペースがあるのでそこから外を眺められるようにしています。
外へは網戸にペット用の潜り戸を設置してあるので、虫が入ってきたりすることもありません。また2階なので外猫ちゃんと相まみえることもなく、高みの見物をしています。
2階リビングにすることによって生活の中心が2階になるので、1階から屋根裏収納までを猫がまんべんなく移動しています。その1階には当院患者のニャンコちゃんからいただいたキャットタワーを設置し、野良猫が通るとこのキャットタワーと2階のベランダやさらに上の梁の窓を行ったり来たりして走り回るのでいい運動になっています。
15年以上前には既製品がほとんどなかったのでこのようなものを大工さんに頼んで作ってもらいましたが、今では各住宅メーカーさんがいろいろな製品を出していたり、ホームセンターなどでもDIYできるようなキットが売られていたり、自宅を気軽に猫仕様にプチリフォームできますので、猫を飼われているおうちはキャットウォークや猫棚といったものを設置して、運動不足やストレス解消から病気の予防をしてみてはいかがでしょうか?
文責 原田