
獣医師が解説!ペットの適正体型とは? BCSで健康チェックしよう!
うちの子は太っている?痩せている?
こんにちは、獣医師の中原です。厳しい寒さは落ち着いて、ポカポカ活動しやすい春がやってきました!
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今年の冬も厳しい寒さで朝は布団から出るのもひと苦労、できる限りお家でぬくぬく過ごしたいと思っておりました。
また、体温維持のためか自然と食べる量や間食が多くなってしまいました。
毎年私を悩ませるのは冬太りです…。
お家のわんちゃんねこちゃんも冬場はなるべく外に行きたがらなかったり、コタツで丸まっていたりしませんでしたか?
活動量が落ちてしまうのは仕方のないことだと思いますが、体重のチェックはできていますでしょうか?
日頃の診察でよく質問をお受けするのは、「うちの子の体重どうですか?」です。
同じ動物種でも体格の違いがあるので、体重だけで評価するのは難しいですが、動物の場合 BCS(ボディコンディションスコア)があります。
くびれの有無を見たり、脂肪のつき具合を触ったりして 5 段階、もしくは 9 段階で評価します。
BCS の表は診察室にも掲示してありますので気になる方はぜひ見てみてくださいね。
人間も太り過ぎで生活習慣病のリスクが上がると言われていると思いますが、動物も肥満により様々な病気につながるリスクがあります。
代表例として、猫の肥満は糖尿病の発症リスクを4~5 倍に引き上げてしまいます。
その他、関節炎や椎間板ヘルニアなどの整形疾患、熱中症、心臓病、がんなど犬猫も太りすぎは体に悪影響を及ぼしてしまうのです。
ある研究では、好きなだけご飯を食べさせた犬とカロリーをきちんと計算してご飯をあげた犬では、健康寿命に2年もの差が出たようです。
わんちゃんねこちゃんの2年はかなり大きな差ではないでしょうか。
健康的な生活をできるだけ⾧く一緒に送るためにも、体重管理は絶対にやっておくべきです。愛犬愛猫が太っていないか、痩せるにはどうすれば良いかなど、気になることがあればご相談ください。
体重は健康の指標にもなります。意識してダイエットしているわけではないのに急に痩せてきた場合は、もしかしたら何か病気が隠れている可能性もあります。
仮に 50kg の人間が1 週間で 500g体重が減ったとします。
おそらく私たちの場合はそこまで気にならない程度でしょう。
では、体重 5kg の犬猫が 1 週間で 500g痩せていた場合はどうでしょうか。
もとの体重の 10%が減ったことになります。50kg の人間の 10%は 5kg にあたり、1 週間で勝手に 5kg 体重が落ちていたら少し心配なりますね。
このように、体重の変化のとらえ方は人の感覚と異なるので、日ごろからチェックして体重の変化に早めに気づけると良いでしょ
う。
可能なら 1~2 週間に 1 回、最低でも 1 か月に 1 回は体重のチェックをおすすめします。
耳掃除や肛門腺、爪切りなどと一緒に体重測定に定期的に来院してもらうのも良いかと思います。
今回は体重をテーマにお話しました。春になり予防シーズンに突入し、病院にくる機会があるかと思います。
ぜひ愛犬愛猫の体重にも感心を向けてみてください。
冬が終わったので、私はダイエットを頑張ろうと思っております。
一緒にダイエット頑張ってくれるわんちゃんねこちゃん募集中です。
ちなみに、院内動物のリプロ君やバース君も体が丸いのでダイエット頑張ります。